TEDの「Dan Ariely: Our buggy moral code」を見た。
http://www.ted.com/talks/dan_ariely_on_our_buggy_moral_code.html
ビデオを通して見たがやっぱり一回で理解するのは難しい。
聞き取れない所があるのと、理解するスピードが追いつかないからに思える。
スクリプトを読んでみるとそんなに難しくない。
分からない単語も7語位しかないし、時間を掛ければ意味も理解できる。
主題としては「直観は正しいとは限らない。一見正しいか検証出来ない様な事でも検証する方法はあるので、過信せずに正しいか検証する必要がある。」と言った所か。
下記要約と言うか、良いなあと感じた部分。
まず、Ariely氏が中学生or高校生の頃に全身に大火傷を負ったと言う、ちょっと衝撃的な話から始まる。
十分に経験もあり真剣に取り組んで人でも直観的な判断だけだと間違う可能性がある。
「火傷の包帯を剥がす時の苦痛の程度」と言う様な検証が不可能に見える事でも、間接的には検証可能であり、どうすれば苦痛が減るのかを検証できる。ただ、多くの人は検証可能な事に気が付かないので、検証しようとしていない。
人がどういう時に不正行為(cheating)を行うかも検証可能。
不正行為によって得られる利益の期待値と、不正行為がバレた時のデメリットを合計した効用を最大化すると言う経済理論通りには行動していない。
自分自身対して罪悪感が生じない程度の範囲で行っている。
結果的には同じであっても、より罪悪感から遠のけば不正行為が生じやすい。
共有の冷蔵庫にコーラを置いておくと勝手に飲まれるが、現金を置いておいても持って行かれない。
不正行為によって得られるものが現金よりも、換金できる代替物の方が生じやすい。
宣誓書を書かせると罰則が規定されていなくても不正行為は生じ難い。
無信教者に十戒を意識させただけでも同様の効果が出ていた。
また、同じグループの人間が不正行為によって利益を得ているのを見ると、自分もその低ではやっても良いだろうと思う様になる。
他のグループの人間がやっているのを見た場合、自分のグループへの帰属意識からやらなくなる。
カーネギーメロン大で実験した際に、サクラで不正行為で利益を得た人間が同じカーネギーメロン大だと不正行為の発生率が増えて、ピッツバーグ大(の名前が入った服を着てただけ)だと不正行為の発生率が減ったと言う話は面白かった。
株についても複雑な金融商品にする事で現金を盗んでいると言う様な罪悪感から離れる事になり、不正行為が多いことから「これ位ならみんなやっているから大丈夫」と思わせるような状況になっている。
行動経済学の観点では、人はそれ程合理的とも言えず、間違った直観に従って行動している事が多い。直感が正しいか検証するという態度を持てれば、世の中はもっと良く出来るはず。
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